実際に起きた殺人事件をリアルな演出で映画化した作品【殺人の追憶/살인의 추억】
田園風景から緩やかに始まるのは、1980年代後半に実際にあった殺人事件を基につくられたサスペンス映画。
その映画は、以前記事にした[殺人の告白(내가 살인범이다)]にインスピレーションを与えたとされる、ポン・ジュノ監督作品【殺人の追憶/살인의 추억】だ。
韓国で実際に起きた未解決殺人事件をリアルな演出で映画化。86年、ソウル近郊の農村で、同じ手口による若い女性の惨殺事件が連続して発生。地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣された刑事ソ・テユンは対立しながらも捜査を続け、有力な容疑者を捕らえるのだが。監督ポン・ジョノは99年に「ほえる犬は噛まない」でデビュー、2作目の本作で韓国のアカデミー賞・大鐘賞の作品賞・監督賞・主演男優賞・照明賞を受賞。
※映画.comさんより引用
感想としては、後味悪すぎる映画。
殺人の告白の時も同じように苦い後味悪さを感じたけれど、まだあちらの方が当事者の心の淀みを拭えた感というか。
ハッピーエンドとするには違う気がするけれども、作品としては閉じられていた感はあった。
対して殺人の追憶は、リアルな演出とあるように、80年代当時の空気感や人々の生活の中で事件が起こり、その光景と時間の流れや演出がその時代を知らずとも想像しやすく怖くもある。
当時の世情や警察内部の問題など社会風刺も込められていて、観る人によっては興味深いだろう。
ただ映画作品としては、人によって単調と感じるかもしれない。
本作品・殺人の追憶のモチーフとなった華城連続殺人事件は、当時未解決。
映画の終わりもまるで閉じていない…。
複雑な心境で田園風景を背にしたエンドロールを眺めるしかなかった。
昨年、華城連続殺人事件の捜査に終止符が打たれたそうだ。
犯人は別の事件で刑務所に入っており、囚人のDNAをデータベース化したことによって犯行が明らかになったそう。
だが、華城連続殺人事件については既に時効が成立しているため、罪には問えないようだ。と記事にある。
正直、終止符が打たれて良かった…と言い切れない…。
さて、この作品の中で特に印象的だったのが、ソン・ガンホ氏。
80年代に居そうなんだよね、こういう刑事さん。
グエムルの時にはそこまで感じなかったのだけど、ソン・ガンホ氏の目の動きというか眼差しが凄くて、とてつもなく印象に残った。
演技なのかな??目で語る感があるんだ。黙らせるとも言うかもw
あと、シン課長役のソン・ジェホさんが、小林稔侍さんに雰囲気が似ていてカッコイイんだ!
殺人の追憶は、現在dTVにて配信中。
※Amazonプライムでも配信してた!!!(11/9)
すけえもん
■殺人の告白観た時の